ノースカロライナ州立大学は、年間 500,000 件の非単位コース登録を提供しています

ノースカロライナ州立大学がローコード開発を活用して、卒業単位に含まれないコースへの年間登録50万件を達成

農業が盛んな州で公有地の供与を受けたノースカロライナ州立大学は、州の経済を牽引する原動力として重要な役割を担っています。ノースカロライナ州立大学の支援活動プログラムでは、1年を通じて50万人を超える人々が交流しています。ノースカロライナ州立大学が掲げるミッションのひとつは、支援活動プログラムを育成し、何世代にもわたりノースカロライナ州の住民を継続的に支援することです。しかし、大学は、大学職員の効率性を向上させると同時に、助成金の報告義務を確実に果たす必要があります。ノースカロライナ州立大学のエンタープライズ・アプリケーション・グループは、ローコード開発プラットフォームを使用して、これらの目標を達成しただけでなく、目標に向かって前進することができる開発チームを構築することができました。

開発チームは、大学職員と管理者から高い評価と尊敬を得ることができたのです。

課題が変化を生む

支援活動プログラムは、ノースカロライナ州立大学が生涯学習を提供するというミッションを果たす上で、重要な役割を担っています。100を超えるキャンパスのエンティティ (ユニット) が非単位制のトレーニングを提供しています。残念ながら、各ユニットは独自の方法で登録を管理しており、付箋やスプレッドシート、SharePointやAccessなどのシャドーITソリューションにいたるまで、あらゆるツールを使用していました。その結果、報告作業の効率が著しく低下しました。さまざまなツールから得たデータを合理的に整理し、標準的な報告書の形式に取り込む必要がありました。大学は、登録を管理し、コミュニティにトレーニングを提供するためのよりコスト効率が高い方法を必要としていました。新しい方法を取り入れることで、報告作業効率の向上も見込まれるからです。しかし、ノースカロライナ州立大学のITアーキテクチャは分散型であるため、単一のアプリケーションを標準化することは困難でした。大学は10学部10学科で構成され、それぞれにITグループが配属されています。「これだけ多くのITグループがあることで、新鮮で刺激的な取り組みを行う機会はたくさんありますが、同時に多くの課題もあります。サービスの重複を避ける必要があります。不足している時間も資金も無駄になります」とノースカロライナ州立大学のエンタープライズ・アプリケーション・サービスで副学長補佐を務めるGwen Hazlehurst氏は述べています。開発チームは、スタッフと管理者で構成される多様なユーザーベースのニーズを満たすことに加えて、連邦政府および州政府の助成金報告基準に従って、さまざまなコンプライアンス要件を満たすアプリケーションを構築する必要があります。「エンタープライズ・アプリケーション・グループは、特にセキュリティやコンプライアンスに関して、定義された設計様式を厳格に守らなければなりません。大学には、遵守しなければならない規定、規制、手順、方針がたくさんあります」とHazlehurst氏は述べています。連邦政府と州政府の助成金報告基準に加え、ノースカロライナ州立大学は、PCI DSSの要件を満たす必要があります。

事態をさらに複雑にするのは、大学が、非単位制システムを管理するための連邦政府による支援金を受け取っていないことです。Hazlehurst氏は、チームが社内でJavaアプリケーションを開発する時間的・金銭的余裕はないと考えていたため、RFPを発行しました。集まった回答提案は驚くべきものでした。アプリケーションの見積りは、5年間で300万ドルから1,000万ドルというものでした。Hazlehurst氏は、次のように言います。

「そのような金銭的余裕はなかったので、インターンの学生にほかの選択肢を探す任務を任せました。その過程で、コードを短時間で開発しデリバリーする代替手法として、ローコード・プラットフォームがあることに気づいたのです」

「独創的な」ソリューション

ローコード開発プラットフォームは、アプリケーション開発のための視覚的なアプローチを提供します。熟練した開発者も特定分野の専門家も同様に、直感的で視覚的なモデルを使用して、エンタープライズ・クラスのフル・スタック・アプリケーションを構築しています。チームは、ノースカロライナ州立大学の予算とリソースの制約を考慮し、Mendixが適していると判断しました。「彼らは5月中旬に卒業し、6月下旬までコードを開発し大学のシステムの一部を設計していました」とHazlehurst氏は述べています。

現在ソフトウェア開発者であるJordan Boyle氏は、インターンの1人でした。「コーディングの経験は多少ありますが、何十万行ものコードを書くなんて、想像したこともありませんでした。「ローコードという手法は非常に魅力的でした。インターンとして、すぐにMendixに没頭することができました。ツールはすぐに使いこなせるようになりました。現在はフルタイムのソフトウェア開発者です。本当に素晴らしいことです」とBoyle氏は述べています。新たに採用された開発者は、Mendixを使用してREPORTERと名づけられた非単位制システムで最低限実行可能な製品を2か月余りで構築し、わずか5か月で本格的に展開することができました。

商用オフザシェルフ (COTS) ベンダーの見積り「5年間で300万ドルから1,000万ドル」に対して、REPORTERの総コストは、推定数十万ドル以下です。さらに、ノースカロライナ州立大学チームは、COTS製品では時間がかかる、もしくは不可能であった、REPORTER機能の大幅な拡張を実現することができました。「REPORTERに漸進的な変更を加える以上のことができました。実際、コンプライアンスは、支援活動や手続きの側面だけに組み込まれているだけではありません。私たちは、キャンパスでのトレーニング要件に準拠しているかを確認するための機能を組み込みました」とHazlehurst氏は説明しています。ノースカロライナ州大学のIT部門担当ディレクター、Jack Foster氏は次のように述べています。

「REPORTERは、コンプライアンスと支援活動の報告作業における非常に特殊なニーズへの対応としてスタートしましたが、その後、キャンパス全体のさまざまなニーズに対応する本格的なエンタープライズ・アプリケーションに成長しました」とJack Foster氏。

REPORTERは期待をはるかに超えました。PCI準拠のアプリケーションを1つに統一したことで、各学部や学科でのコンプライアンスに関する負担がなくなり、登録を自動化したことでスプレッドシートや付箋が不要になりました。

「30部門がREPORTERを使用しており、すべての部署でFTEが削減されています。各部門は、次に何をするのか、社内アプリケーションをどのように管理するのか、リソースをどのように割り当て直すのかも考慮できています」とFoster氏は述べています。

ローコードの仮説検証

また、ローコード開発プラットフォームを使用することにより、エンタープライズ・アプリケーション・グループのリソースが解放されました。Hazelhurst氏とチームは、予定よりも早くREPORTERを提供できたため、研究者の協力を得て、研究室の機器の予約をより適切に管理するためのソリューションを開発することができました。ノースカロライナ州立大学は、有数の公立研究大学として、現実世界の問題に対するソリューションの開発を誇りとしています。省エネ型のスマート変圧器や、がんを殺すナノデイジーなどは、その一例です。Hazlehurst氏は、「研究者らは、世界が直面している深刻な問題の解決に貢献していますが、時間の3分の1から2分の1を研究室での事務処理に費やしていました」と述べています。ノースカロライナ州立大学は、わずか数か月で、毎年100万ドルをはるかに超える収益を管理する研究室管理システムを展開しました。「私はプロジェクトで唯一の開発者ですから、研究室管理アプリケーションに大きな誇りを持っています。REPORTERの開発で得た知識をもとに、このアプリケーションを構築できました」とBoyle氏は述べています。「Mendixを使用することで、仕事の質を落とさず、迅速に顧客の期待に応じられるソリューションや機能を提供できます」とFoster氏も認めています。「顧客がソリューションを必要としているときに、ほぼ同じタイミングでソリューションを提供できるということを、顧客は知っています。もう、会話上のことではないのです」とFoster氏は述べています。「顧客はそれを期待するようになり、プロセスの一部となりました。人々のニーズを満たし、効率性を高めるソリューションを迅速に提供できることは、何よりも素晴らしいことです。Mendixプラットフォームだから実現できたのです。ほかのプラットフォームの動作は非常に遅いため、技術的なソリューションを提供する際、実現するまでに時間がかかります。そのため、努力が報われたと感じられないのです」とHazlehurst氏は述べています。「Mendixがあれば、ほぼ瞬時に満足させることができます。人々との会話を通して、ニーズを理解し、アプリケーションを開発してそれを人々に提供しています。短期間のうちに実際の変化と効果を実感できるのです」

文化の潮流を変える

Mendixは、ノースカロライナ州立大学において技術的なソリューションの提供方法を変えただけでなく、エンタープライズ・アプリケーション・グループの文化も変えました。「Mendixは、私たちが想像もしなかったような方法で、チームスタッフの配置方法を変えてくれました。卒業生に働いてもらえるのは、とても気分のよいことです。チームに活力、創造性、イノベーションをもたらしてくれます。数値化するのは難しいですが、展開する製品に大きな効果があります」とHazlehurst氏は言います。さらにHazlehurst氏は次のように述べています。

「一晩で立ち上げたこの若いチームを誇りに思います。チームは、通常では得られないような成果を顧客にもたらしました。研究室管理システムに関しても、チームは、要求の厳しい人々から高い評価を得ています」。

Hazlehurst氏によると、チームが受けた肯定的なフィードバックの中には、導入が完璧だったので、教員陣が飲み物をおごる一幕もあったそうです。「チームはこれまでにも素晴らしいプロジェクトを展開してきましたが、特に一から築いたものに対して、このような称賛を受けることはありませんでした」

ミッションを前進させる

ノースカロライナ州立大学は、伝統的な教育プログラム (学部および大学院) だけでなく、ノースカロライナ州の農業および産業において労働力を支援するための非単位制コースを提供しており、州の経済において重要な役割を担っていると自負しています。アプリケーション開発で革新的な手法を採用することで、IT部門は大学のミッションである支援活動やエンゲージメント (登録プロセスの自動化、ノースカロライナ州立大学の卒業生をITチームの一員として雇用することによるスタッフの負担の軽減、学生への国際レベルの教育の提供など) を実行するためのよりよい環境を確保しています。

「顧客に『本当に素晴らしいことです。効率がとても向上しました』と言ってもらえることほど、チームにとって嬉しいことはありません。大学の中枢で働いているような気分になることもあります」とHazlehurst氏は言います。「私たちは、支援活動とエンゲージメントのミッションを前進させるのにどのように役立っているのかを知ることができません。Mendixのアプリケーションにより、実際に支援活動とエンゲージメントに関わっている人たちとともに、第一線で働くことができ、非常にやりがいを感じています」