PostNL社がローコードで新しいビジネスモデルを実現

PostNL社のITチームは、eコマースの発展による小包配送の需要の大幅な増加を見込んで、1日あたり60万個の小包を扱うレガシー発注管理システムの置き換えを検討していました。

Jasper ten Hove氏はPostNL社でIT部門が行った仕事について、「私たちが取り組んだのは、問題のごく一部にすぎません」と謙虚な姿勢で語っています。同氏は、オランダの国営郵便事業者でベネルクス3国で最大級の物流・小包会社であるPostNL社のeコマース物流ITマネージャを務めています。PostNL社の成長し続ける小包ビジネスにとって必要不可欠な、目的に特化したカスタムメイドの新しい発注管理システムについてJasper ten Hove氏のお話を聞きました。このシステムと構築に使われた手法のおかげで、PostNL社は1日110万通の小包を処理し、前年比で大幅な成長を続け、2年間のITバックログをわずか2四半期で解消することができました。このような結果を出したにもかかわらず、Jasper ten Hove氏とPostNL社の同僚たちにとって、このような成果は長期的なビジネス戦略のスタート地点に過ぎません。同社チームは、開発スピード、継続的なフィードバック・ループ、事業目標との緊密な連携を通じて、価値の好循環を生み出しています。物流提供者である同社にとって最大の功績は、事業の運営方法の中心にソフトウェアをしっかりと位置付けたことです。PostNL社のIT部門は、PostNL社をソフトウェアを提供する郵便・小包会社から、郵便・小包を配達するテクノロジー主導の会社へと変貌させようとしています。この新しい働き方は、マイクロサービス・アーキテクチャを採用した発注管理システムから生まれたもので、ローコードによる実装としてはおそらくこれまでで最も複雑なものと言えるでしょう。

変化を処理する

PostNL社がMendixローコード・プラットフォームを採用した背景には、市場の需要の変化と、自社のITシステムをビジネスビジョンに適応させる必要があったことが挙げられます。PostNL社のすべての基盤となっている事業は郵便で、オランダとベルギー全土に住む1700万人の顧客の郵便受けに手紙と小包を配達することです。PostNL社は今でも1日に810万通の手紙を配達していますが、過去15年間で、eコマースの大きな成長により、小包事業が爆発的に増加しました。PostNL社にはeコマースの影響で、「処理能力の圧倒的な不足」が生じたとJasper ten Hove氏は述べています。しかしPostNL社は、しっかりとサービスを提供しています。PostNL社は郵便で成り立っていたビジネスを、小包へとシフトすることに成功したのです。そのため、2020年にはPostNL社の小包ビジネスが郵便を抜いて、正式に事業の最大部分を占めるようになりました。このために必要不可欠だったのが、発注管理システムです。宅配便の注文が増えることを予測して、発注管理システムのプロダクトオーナーであるChris Neuteboom氏と彼のチームは、2007年にソリューションの開発を開始しました。このシステムは、当時Neuteboom氏とチームが驚異的なスケールだと考えていた、1日あたり600,000件の注文を処理することができました。発注管理システムは、従来のプログラミング言語、古いオペレーティングシステム、サードパーティの開発者によって開発された、典型的な技術的モノリスでした。発注管理システムは、PostNL社の基幹業務にとって決定的に重要なものでした。多くのモノリスがそうであるように、Neuteboom氏、Jasper ten Hove氏、その他のチームメンバーが構築した発注管理システムは、急速に成長し変化する市場の需要にもはや耐えられなかったのです。eコマースのブームは続き、小包の注文は予想された1日あたり600,000件を優に超える増加傾向にありました。システムをeコマース需要に合わせてスケーリングする問題だけでなく、物流分野ではビジネス・プロセスを常に改良することが求められます。これらのプロセスを最適化するために、物流業者は、重要なシステムのダウンタイムを回避または軽減しながら、時にはリアルタイムで迅速にソフトウェアを更新できる必要があります。同社のモノリスのような発注管理システムと、需要の拡大に対応できるようなスケーリングとプロセス改良は実現不可能でした。PostNL社のビジョンは、より近代化された発注管理システムだけでは満たすことができません。そしてもちろん、宅配便の増え続ける需要に後れを取らないようにする必要があります。実際、パンデミックに見舞われた2020年には、小包の需要がほぼ1年中ホリデーシーズンのピークのレベルに達していました。しかし、2015年の時点でも、PostNL社は小包以外にも、時間帯指定、家具配送、フルフィルメント、健康・医療といった他のビジネスにも野心的でした。こういったすべてに、小包と同じ入出力プロセスの多くを反映しながら、配送と日付のさまざまなニーズを持たす機能を持つソフトウェアが必要となります。小包によっては、異なった情報が必要となりますが、一般的に小包や郵便と同じ入出力プロセスに従います。例えば、大型貨物や医薬品などです。これらの商品の受注に関わるビジネス・プロセスは非常に似ていますが、両者の情報構成はまったく異なっています。それぞれ、必要な機材や配送員が異なります。一方は一刻を争うものであり、他方は通常そうでないものです。一方は冷凍する必要があるかもしれませんが、他方は冷蔵庫が必要かもしれません。このように、PostNL社ではこれらのアイテムを区別し、オペレーターと呼ばれる異なる事業者が対応しています。アイテムの個別のニーズに最適な事業者ごとに物流機能が異なるため、配送するものによって発注管理システムを変更する必要がありました。PostNL社は、市場をリードする物流業者というビジョンと、プロセスの瞬時の変化を常に繰り返すことによってこれを達成するという野心を抱いていましたが、不安定でモノリシックな状態の発注管理システムではこの基準を満たすことが不可能だと気付きました。「動作が遅かったのです。そして複雑でした。私たちにとってブラックボックスだったんです」とPostNL社の発注管理プラットフォームのオーナーであるDavid Ramp氏は述べています。「もう機能していませんでした。制約が多すぎたんです」とRamp氏。将来のスケーリングのための下準備として、そして市場をリードする効率的な物流業者にPostNL社を変容させるために何かを変える必要があったのです。

新しいルートを計画する

モノリシックなシステムは、かつては受注管理などのユースケースに適していましたが、その定義された安定したアーキテクチャは、日々進化するビジネス環境に対応するための迅速な変更を困難または不可能にしています。PostNL社のチームは同社のビジョンを達成するために、針穴に糸を通すような困難なタスクに立ち向かいました。安定性と信頼性を犠牲にすることなく、常に変化と最適化のための情報のルートを提供する必要があったのです。Neuteboom氏、Jasper ten Hove氏、Ramp氏は、2015年に受注管理システムの再構築を開始しました。しかし、その作業は遅々として進みませんでした。従来の言語でコーディングすると、一見シンプルなビジネス・プロセスが複雑な構文に包まれ、読者はその意味を解釈した上で改善のための提案をする必要があります。変化のスピードが速かったことも大きく影響して、作業の進行に手間取りました。2019年までに達成できたのは、作業のおよそ40%でした。Neuteboom氏は、新しい発注管理システムの目標を見事に要約しています。「私たちは、より柔軟なシステムを構築し、将来にわたって新しいサービスを市場に提供するために、本当に迅速かつ安全に変更できるようにしたかったのです」とNeuteboom氏。アーキテクチャの再構築は、PostNL社が一度構築したら、すべてのオペレーターに再利用して、配達するアイテムの必要に応じて調整できるフレームワークに受注管理システムを変換するという意味を含んでいます。各小包には、小包を目的地までガイドする処理チェーン内の18のイベント (タッチポイント) があることを考えると、これは簡単なタスクではありません。このチェーンには、小包の配送先、時間、署名の要否などのメタデータが含まれます。32の配送センターで重複したサービスを提供し、新システムでは1日あたり1,000万件以上のトランザクションを処理する必要がありました。Neuteboom氏、Jasper ten Hove氏、Ramp氏は、すばやく前進して組織の未来を準備することができる、別の開発手法を検討しはじめました。そして最終的に、システム全体をMendixで再構築することを選択し、巨大なマイクロサービス・アーキテクチャを提供しました。

小包は配達中です

PostNL社は非常に野心的な目標を掲げて、チームを結成しました。社内では、ビジネス関係者とともに、自分たちが作ったアプリケーションが本当にユーザーのニーズを満たしているかどうかを確認しました。社外では、PostNL社はMendix配信パートナーのCAPE Groep社に協力を求め、受注管理システムとアーキテクチャを再構築して、PostNL社が事業を運営するフレームワークに生まれ変わらせました。CAPE Groep社のプログラムマネージャーであるArthur van Leeuwen氏によると両社のスタート地点について次のように述べています。「ソフトウェアを市場に投入する最も効率的な方法を発見することです。アプリケーションの部分の再利用をどのようにモデル化するかを考え、コードとモデルの品質を考慮する必要があります。こういったあらゆる側面で品質を考慮して、所有コストを下げる必要があります」とArthur van Leeuwen氏。CAPE Groep社の開発者Terence Duinkerken氏は、配送センターのネットワーク全体へのスケーリングについて以下のように詳しく説明しています。「会計業務をどのようにスケーリングするか、要するにそのスケーリング方法をどのように複製したらいいのだろうか。これをサポートするために、非常に大規模なマイクロサービス環境を開発しました」とDuinkerken氏。チームは、64の一連のマイクロサービスから構成されるアーキテクチャを考案しました。PostNL社の32カ所ある配送センターにはそれぞれ、注文を受けるインプットサービスと、注文の変更を行うプロセスサービスの2つの専用サービスが割り当てられます。各サービスには、もう一方のサービスが停止した場合に備えて複製されたバージョンが割り当てられ、高い可用性を確保するとともに、PostNL社の納期遵守の姿勢を強化するフェイルセーフを実現します。このアプリケーションのメッシュは、フィールドサービス・プラットフォームへ小包の配送ルートを送信し、PostNL社のエコシステムの残りの部分に注文の更新を送信して、ユーザーに注文の状況を知らせます。このシステムは、素晴らしいリーチを約束するものでした。450万人のユーザーが小包を追跡し、必要な場合は配送ルートを再指定できます。提案されたシステムの複雑さと、それがメンテナンスやアップデートに与える影響を考慮し、PostNL社とCAPE Groep社はMendixプラットフォームを利用し、配送プロセスのアクティブ・モニタリングと、ソリューションの展開状況のプロアクティブな可視化を実現しました。Duinkerken氏は次のように述べています。「また、これにはそれ以外のメリットもあります。配送センターごとにアプリケーションを持っている場合、新しいバージョンをロールアウトするときに、1つの配送センターを鉱山の毒ガス検知に使われた鳥かごの中のカナリアのように扱うことができます。数日間テストして、うまくいったら、残りの地域で展開すればいいんです」とDuinkerken氏。PostNL社はビジョンを高度なアーキテクチャとプロジェクト計画に変換し、CAPE Groep社からシステム開発の支援を受けて、仕事に本格的に取り掛かりました。

ローコードによる納品

Mendixプロジェクトに先立つ4年間で、受注管理のプロジェクトは40%しか納品されませんでした。Mendixとマイクロサービスを利用し、CAPE Groep社の支援を受けながら、PostNL社は残りのソリューションをわずか12か月で提供しました。中心的な役割を果たしたのは、Mendixのモデルベース開発、シームレスな部門間コラボレーション、Mendix Cloudでした。Mendixのビジュアル開発言語を使用することで、これらのアプリケーションの構築と32か所の拠点への複製は、従来のプログラミングと複製よりもはるかにシンプルになりました。PostNL社のITチームにとって、ビジネス・プロセスを可視化するMendixは、物流に最適なソリューションでした。「ローコードは、ワークフローを迅速かつ継続的に適応させるのに優れています。受注管理とは要するに、ワークフローの組み合わせなんです」とJasper ten Hove氏は述べています。コードを使うと、開発者が業務分野の専門家に対して、何行も何行も続くコードが、彼らの認識できるビジネス・プロセスにどのように翻訳されるかを示すのが困難だったり、不可能だったりします。また、問題解決のためにリアルタイムで協力することがもっと困難になります。Neuteboom氏は、Mendixを使えばこれは簡単だと述べています。「マイクロフローや注釈を駆使して、かなり読みやすくなっています。この中から、ビジネス・プロセスを認識することができます」とNeuteboom氏。Mendixのおかげで、PostNL社が作ったものは、本質的にユーザーフレンドリーで、理解しやすく、保守しやすいものになりました。Ramp氏にとって最も有益だったのは、ビジネス関係者とITチームのコラボレーションです。「ローコードでは、業務の話題をビジネス・プロセスに変えるため、より理解しやすくなります。つまり、話し合うための共通言語があるというわけです。ビジネス関係者との会議で、何を構築しているのか、どんな選択肢と可能性があるのかが、非常に明確に分かります」とRamp氏。PostNL社はマイクロサービス・アーキテクチャ上でフレームワーク全体を実行し、完全に管理されたデプロイメント・ターゲットであるMendix Cloud上に展開しています。Neuteboom氏、Jasper ten Hove氏、Ramp氏、そして三氏のチームは、より多くの睡眠時間以外に、これらの重要なワークロードが99.95%のアップタイム保証、自動回復、自動バックアップという安心を手に入れました。この環境にデプロイされた各アプリケーションはすぐに利用可能で、完全なクラウドネイティブとなっており、チームは細かいインフラストラクチャやアーキテクチャの構成よりも、常に改善作業に集中することができます。マイクロサービスとMendixのビジュアル言語、コラボレーション機能、監視機能を組み合わせることで、PostNL社のITチームは、拠点レベルまたはオペレーターレベルでの変更や、ビジネス顧客が営業時間内に到着するように配送を再スケジュールする顧客サポート機能など、分子レベルまでソフトウェアを変更できるようになりました。PostNL社は、明確に定義されたDevOpsの原則と、バージョン管理、アプリケーション品質の監視、アプリケーション・ポートフォリオ全体を可視化するコントロールセンターを含むCI/CD機能により、ダウンタイムなしに64のマイクロサービスを日常的にカスタマイズし最適化することが可能です。過去を振り返ると、以前のモノリシックなシステムを変更した場合には、残りのコードに広範囲にわたる影響を与える可能性がありました。今では、変更が必要な場合、残りの環境に影響を与えることなく、わずか数日で変更することができます。「単純に、新しいアプリを導入すればいいのです。以前は、配送センター特有の要件を追加するのに2週間はかかっていました」とJasper ten Hove氏は回想しています。

成功の再現

新しい受注管理システムによって、PostNL社のビジネスモデルの中心にITチームがしっかりと位置づけられるようになりました。このシステムは、1日110万件の小包を処理できることが証明されており、今後さらに拡大する予定です。ITチームは、2年分のリクエストのバックログをわずか2か月で解消しました。彼らが開発しているソフトウェアの成功には、技術ではなく、業務の問題に焦点を当てることが必要です。このような発想の転換が、新たなビジネスチャンスを生んだのです。Neuteboom氏は次のように述べています。「数か月前、この発注管理システムに新しいサービスを開発しはじめました。小包の受け取りと発送をより簡単にし、配送状況をより深く理解するための、お客様向けの新しい機能です。旧システムでは、このような変更は非常に困難で、費用も時間もかかり、リスクも高かったのです」とNeuteboom氏。PostNL社は、過去の栄光にしがみつくことはありませんでした。新しい受注管理システムの基盤となるアーキテクチャは、他業種でも実績のある基盤やテンプレートとして機能します。例えば、オーケストレーションについて考えてみましょう。PostNL社に長年勤めるBram Grijzen氏は、オーケストレーション・プラットフォームのチーフプラットフォーム・オーナーとして活躍しています。同氏が統括するプラットフォームは、送り手とオペレーター、そして受け手の間を取り持ちます。Grijzen氏は、このプラットフォームの目的を単純明快に説明しています。「商品1つ1つにサプライチェーンを構築するのです」Grijzen氏。注文が入ってくると、データを追加し、アイテムがいつ到着するかをAIで予測します。この予測は、受取人の配送の好みや、過去の配送履歴を考慮した実行プランに反映されます。オーケストレーターは計画を検証するために、さまざまな制約条件を適用して計画を実行します。パッケージの種類によって配達人が決まります。例えば、自転車の宅配便がソファを配達することはできません。PostNL社の目標は、業務の効率化だけでなく、業界最高のカスタマー・エクスペリエンスを提供することです。オーケストレーション・プラットフォームは、お客様が配送をコントロールできるようにするものです。また、PostNL社はコスト効率、NPSスコア、解約スコアによって、システムの健全性から意思決定の価値までを測定することができます。このローコード・フレームワーク上に構築されたもう1つのシステムは、小包用のTime Bound Networkで、PostNL社はこれを使って、厳格な時間枠内に、さまざまな異なる種類の小包を配達することができます。Ramp氏はTime Bound Networkのオーナーとなっており、異なるビジネスラインの要件に基づいて量と品質を拡張する能力について次のように述べています。「1時間に5万件から6万件の注文をこなしています。しかし例えば医療関連の業種では、1日あたりの注文数が5,000件とはるかに少ないものの、注文あたりの品質がもっと要求されます」PostNL社は、このフレームワークを使用して、これらの隣接する業務の改善も加速しています。小包の時間帯指定や新しいオーケストレーション・プラットフォームに加え、フルフィルメント、家庭用品、健康・医薬品の配送をサポートする新しいプラットフォームが、受注管理プロジェクトのコンポーネントやノウハウを再利用して構築されています。この新しいアーキテクチャは、堅牢でミッションクリティカルなシステムが必ずしも、大規模で、不透明で、変更不可能なものではないことを聡明しています。柔軟性があり、改良と成長の可能性を無限に秘めています。現在、PostNL社は、配送時間を短縮するための変更をすばやく実行し、まったく新しいビジネスを創造し、AIなどの技術を試すことによって顧客利益を向上させています。PostNL社の仕事と技術の成果は全国的な注目を集めていますが、それも当然のことです。この成功の大きさを反映して、PostNL社はオランダで最大級のIT分野の栄誉であるComputable Awardを受賞しました。健康や医療に関する小包の場合、お客様の生活が改善されるなど、新しい方法でさまざまな種類の小包を受け取ることができるようになりました。PostNL社は物流だけでなく、ITの分野でもリーダーであることが証明されています。

物流を超えて

この新しいアーキテクチャへの移行は、PostNL社が現実に実行している変化をデジタルで表現したものでもあります。以前のPostNL IT社はプロジェクトベースの組織で、アドホックに変更や新機能の構築を行っていましたが、現在のPostNL IT社は恒久的なチームがプラットフォームを運用・保守し、継続的に改善しています。Jasper ten Hove氏はこのように変化した部門について、「社員が、長期間にわたって在籍するようになりました」と述べています。PostNL社はIT企業になったのです。そして、IT部門は、部門内や他のビジネス関係者との反復的な構築、実験、協力のコミュニティを育成しています。このようなIT部門の変化を受けて、Jasper ten Hove氏は、PostNL社内で意欲ある開発者や技術志向の高い人々が、今後、幅広い技術者を採用する機会が大幅に増加すると見ています。「技術的なことを任されたのは、違いを生み出す意欲を持つ人たちだったんです」とRamp氏はPostNL社に入社した当時のことを振り返っています。当時の同氏が直面したのは、技術を超越した制約でした。その当時に有効だったものが、今の組織のニーズと顧客の要求には通用しなくなっています。Mendixで構築したプラットフォームの基礎となるアーキテクチャとちょうど同じように、PostNL社の新しい事業形態は、今後何年にもわたってチームとともに成長する持続的なフレームワークを作り出したのです。チームメンバーは、新しいアイデアを出し、実験するよう奨励されています。Ramp氏は、ITチームが持つ原動力について次のように述べています。彼らは、「PostNL社が設定した目標に沿って、自分たちで意思決定をする権限と自由を持っています。このおかげで、柔軟な対応ができる環境が整っているのです。その根底にあるのは、平均的なものを超えて、卓越しようとする意欲です」とRamp氏。

常に、まだやるべき仕事は多い

Jasper ten Hove氏は、この新しい事業形態がもたらす新たな可能性に期待し続けています。この新しいフレームワークの構築は、物流の合理化、運用コストの半減以上のものを提供します。「私たちは単なる物流業者以上の存在だという視点を与えてくれます」とJasper ten Hove氏は述べ、PostNL社が自分たちの構築した機能を他の物流業者やオペレーターに売り込んで販売し、消費者が小包を受け取るためのより強力なエコシステムを構築する未来を思い描いています。PostNL社は、成長する意図を持っています。オランダとベルギーに12か所の拠点を増設し、小包の数を増やし、ドライバーを増やし、新しい業種のビジネスを展開する予定です。この成長の中心にいるのがITチームです。フレームワークの初期構築は終わったかもしれませんが、それは始まりに過ぎません。Jasper ten Hove氏は次のように述べています。「公平に見て、私のチームはおそらく『まだやるべきことがたくさんある』と言うでしょう。その点では、まだ始まったばかりなのかもしれませんね。私たちが立ち止まるとき、それが終わりなのかもしれません」